【菩薩】②菩薩の9種類 役割とポイント
菩薩は如来になるために修行しながら人々を救ってくれる人気の仏様です。
ここではおもな9種類の役割と姿のポイントをまとめます。
文殊菩薩とは
「知恵」を象徴する菩薩です。
「三人寄れば文殊の知恵」という慣用句の起源です。
釈迦如来の脇侍です。
文殊菩薩の姿
・獅子の背に置いた蓮華の台の上にあぐらをかいている。
・頭は髷を結っている。
・右手に知恵の象徴としての剣を持っている。
普賢菩薩とは
「理性」をつかさどる菩薩です。
釈迦如来の脇侍です。
普賢菩薩の姿
・白象の背に置いた蓮華の台の上であぐらをかいて合掌していることが多い。
観音菩薩とは
人を観察して声(音)を聞き、全力で人々を苦しみから救ってくれる菩薩です。
阿弥陀如来の脇侍です。
観音菩薩の姿
・髪は宝髷(ほうけい)で飾られています。
・左手に蓮華や水がめを持っています。
蓮華は観音菩薩の象徴。
水がめは汚れを払う霊水が入っています。
観音菩薩は種類が多くあります。
聖観音菩薩(しょうかんのんぼさつ) |
十一面観音菩薩(じゅういちめんかんのんぼさつ) |
千手観音菩薩(せんじゅかんのんぼさつ) |
不空羂索観音菩薩(ふくうけんじゃくかんのんぼさつ) |
如意輪観音菩薩(にょいりんかんのんぼさつ) |
馬頭観音菩薩(ばとうかんのんぼさつ) |
准胝観音菩薩(じゅんていかんのんぼさつ) |
勢至菩薩とは
知恵の力で人々の迷いを除いてくれる菩薩です。
阿弥陀如来の脇侍です。
勢至菩薩の姿
・宝冠に水瓶をつけている
日光菩薩/月光菩薩とは
日光菩薩は天下すべてにわたって照らし、生き死に、苦しみの闇を消滅されてくれる菩薩です。
月光菩薩は月の光によって行います。
日光・月光が交代で24時間人々の苦しみを救ってくれるのです。
薬師如来の脇侍です。
薬師如来の左(向かって右)に日光菩薩、右に月光菩薩(向かって左)が並びます。
日光菩薩/月光菩薩の姿
日光菩薩
・「日輪」を冠につけたり、手に持ったりしている。
・金または赤の持ち物を持っている。
月光菩薩
・「月輪」を冠につけたり、手に持ったりしている。
・銀または白の持ち物をもっている。
左右対称に作られていることが多い。
弥勒菩薩とは 56億7千万年後に如来になる。
弥勒菩薩は、釈迦の後継者として約束されているです。
釈迦の弟子の実在の人物だったといわれています。
普段「兜率天」とよばれる場所にいて、釈迦の死後56億7千万年後、地上に降り立ちこの世を救ってくれます。
弥勒菩薩の姿
半跏思惟像
・あぐらで座っている場合、宝塔を持っている。
・台に腰かけて瞑想にふけっている姿の「半跏思惟像」が有名。
地蔵菩薩とは
釈迦の死後、56億7千万年後に弥勒如来が誕生するまでは無仏の時代です。
この時代に、人々を救済してくれる菩薩です。
人々を救う心が大地のように堅く、地獄からも救ってくれると考えられています。
「あの世」と「この世」の境に立っているとされ、墓地の入り口に祀られたり、亡くなった子どもを救う子どもの守り神としても信仰を集めました。
地蔵菩薩の姿
・僧侶がモデルで、頭を丸めている。
虚空蔵菩薩とは
密教の五智如来の変化神。
虚空の、何もない大空のような広大な知恵と慈悲で人々のさまざまな願いをかなえてくれる菩薩。
地蔵菩薩が大地をつかさどる仏であるのにたいし、虚空蔵菩薩は天空をつかさどる仏様です。
虚空蔵菩薩の姿
・宝冠に5仏を配している。
・左手に剣か蓮華を持っている。
・右手に宝珠を持っている。
如来と菩薩の関係
修行中の菩薩にはそれぞれ”師匠”の如来がいます。
菩薩は”師匠の”左右に配置され、学びながら”師匠”を補助します。これを脇侍といいます。
“師匠”と脇侍は組みあわせが決まっています。
如来 | 脇侍 |
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釈迦如来 | 文殊菩薩 |
普賢菩薩 |
阿弥陀如来 | 観音菩薩 |
勢至菩薩 |
薬師如来 | 日光菩薩 |
月光菩薩 |