【菩薩】③観音菩薩の7種類 姿とみわけ方
観音菩薩とは
観音菩薩はいわゆる「観音様」です。
正式には観世音菩薩です。
観音菩薩は、人を観察して声(音)を聞き、全力で人々を苦しみから救ってくれる菩薩です。
聖観音と変化観音
観音様は人々を悩み・苦しみにから救ってくれます。
人々の悩み・苦しみは多様で、いかなる場合にも対応できるように、変幻自在に姿を変えた変化観音も現れてきます。
変化観音は密教系の観音様です。
聖観音菩薩 | 基本 |
千手観音菩薩 | 変化観音 |
十一面観音菩薩 | |
如意輪観音 | |
馬頭観音 | |
不空羂索観音 | |
准胝観音 |
聖観音(しょうかんのん)
最も基本の観音菩薩です。
聖観音の姿
・宝冠に阿弥陀如来の小さな仏様(化仏)をつけている。
・手に蓮華・水がめを持っている。
蓮華は観音菩薩の象徴。
水がめは汚れを払う霊水が入っている。
千手観音(せんじゅ かんのん)
千手観音は正しくは、千手千眼観自在菩薩(せんじゅせんげんかんじざいぼさつ)といいます。
千本の手と千個の眼で人々を悩みや苦しみから救ってくれる菩薩です。
千手といっても実際には本体の両手以外に40本です。
1本の手で25の願いごとをかなえられるので、25×40=1,000となるわけです。
千の手はヒンドゥー教のシヴァ神とヴィシュヌ神から受け継いだものです。
千個の眼は、27面や12面などで表されます。
千手観音の持ち物
人々を救うために必要な道具や武器を持っています。
例えばつぎのようなものです。
・日輪
・化仏
・宝珠
・剣
・輪宝
・水瓶
・数珠
・矢
・鏡
など。
十一面観音(じゅういちめん かんのん)
頭部に11の変化面をつけています。
それぞれに人々の苦しみを救う力が秘められています。
11の変化面はなにを表しているか
正面3体:思いやりを表す。
右側(向かって左)3体:優しさを表す。
左側3体:怒りを表して悪を退治する。
後1体:悪を笑い飛ばす。
頂上:阿弥陀如来
十一面観音の持ち物
・蓮華
・数珠
・錫杖(つえ)
・お経
など。
如意輪観音(にょいりん かんのん)
「如意輪」は車輪のように自由に転がっていく宝珠(釈迦の遺骨を収める器)という意味です。
如意輪観音は、自由自在に人々を救ってくれる菩薩です。
ヒンドゥー教がルーツです。
如意輪観音の姿
・片膝立ちで座って頬杖をついている。
・手が2本のほか4、6本ある。
如意輪観音の持ち物
・法輪。
法輪は人々の煩悩を打ち砕く力の象徴です。
法輪は仏教を象徴するマークで、キリスト教の十字架にたいする仏教の如意輪として世界的に通用しています。
・宝珠。
・数珠。
・蓮華のつぼみ。
馬頭観音(ばとう かんのん)
頭の上に馬をつけている仏様です。
馬が草を食べつくすように人間の煩悩を食べつくしてくれます。
「畜生道」に落ちた者の苦悩も救ってくれます。
ヒンドゥー教のヴィシュヌ神の化身がルーツ。
馬頭観音の姿
・頭に馬の頭をつけている。
・他の観音像と異なり、激しく怒っていて恐い。
・起こった顔が前後左右の4面ある。
・目が額のところにもある三つ目。
・手が2本のほか、4、6、8・・・本ある。
不空羂索観音(ふくうけんじゃく かんのん)
「不空」は空きのないという意味、「羂索」は悪人を縛る綱のこと。
慈悲の羂索で苦悩するすべての人々を救い取って助けてくれる菩薩です。
不空羂索観音の姿
・目が額のところにもある三つ目。
ヒンドゥー教のシヴァ神と共通している。
・手が2,4,8,10・・・と多数ある。
・2本の手は合掌している。
・多数ある手に道具を持っている。
准胝観音(じゅんてい かんのん)
すべての仏様の母。
厄災・厄病を取り除き、命を長らえさせてくれる。
インド密教の呪文の一部「チェンダー」が人格化した。
准胝観音の姿
・手が18本ある。
・さまざまな道具を持っている。
観音菩薩と阿弥陀如来
菩薩は修行の身で、”師匠”の如来が決まっています。
“師匠”の脇侍として左右に控えています。
観音菩薩は阿弥陀如来の脇侍です。
相方は勢至菩薩です。
如来 | 脇侍 |
---|
釈迦如来 | 文殊菩薩〔向かって右(左脇侍)〕 |
普賢菩薩〔向かって左(右脇侍)〕 |
阿弥陀如来 | 観音菩薩〔向かって右(左脇侍)〕 |
勢至菩薩〔向かって左(右脇侍)〕 |
薬師如来 | 日光菩薩〔向かって右(左脇侍)〕 |
月光菩薩〔向かって左(右脇侍)〕 |