【天】八部衆その名前、役割

八部衆とは

八部衆(はちぶしゅう)は釈迦の教えを守る8人衆です。

もとは、古代インドの神々で、人食い鬼だったり戦闘の鬼だったりと悪行を働く存在でしたが、仏教に取り入れられてからは、釈迦に仕える身となり仏法の守護神になりました。

奈良・興福寺の八部衆

八部衆の名称は諸説ありますが、日本で有名な八部衆は、奈良・興福寺の8体です。

阿修羅像(あしゅらぞう)


・手が6本。
・古代インドの時代、熱で大地を干上がらせる太陽の神で戦闘の神。
・帝釈天との戦いに敗れ仏教の道へ。

五部浄像(ごぶじょうぞう)


・象の冠。
・天部像の象徴。

沙羯羅像(さからぞう)


頭には蛇が巻き付き肩にまでかかっている。
龍の神。
龍宮にすみ、雨をよぶ魔力を持っている。

鳩槃荼像(くばんだぞう)


夜叉。
水を守るが、死者の魂を吸う悪鬼でもある。
毘沙門天、増長天の家来ともいわれる。

乾闥婆像(けんだつばぞう)


獅子の冠。
音楽と酒神ソーマの番人。
持国天の家来とされる。

迦楼羅像(かるらぞう)


頭が鳥。
インド神話のビシュヌ神がのる鳥。
龍を主食とし、一切の悪を食いつくしてくれる。

緊那羅像(きんならぞう)


1本の角、額に第3の目。
音楽神。
「何か(kim)人(nara)」の意味で半神。

畢婆迦羅像(ひばからぞう)


大蛇ニシキヘビを神格化したものといわれているが、ヘビの意匠はない。
音楽の神。

イラスト・さいとうじゅん